急性呼吸障害患者に対する理学療法の役割
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概要
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筆者は主に高齢の胸部・上腹部外科術後患者の急性呼吸障害を対象に肺理学療法を行っているが, 術後呼吸管理の失敗は生命を危機に陥れるだけでなく, 救命し得てもその間に長期臥床を強いれば廃用症候群により寝たきりになる危険性が高い。したがって呼吸管理チームの一員として理学療法士が果たすべき役割は極めて大きいと言える。一方, 急性期・重症患者に適応出来る理学療法手段は患者の状態に大きく左右され, 体位排痰法や呼吸訓練だけでは対応出来ない状況が多く, 理学療法士の武器である徒手技術を駆使して対処する必要性がある。生命に直接関わるような危険性の高い状況や種々の制約が多い状況ほど, かえって理学療法士の手による治療が活きてくるのであり, この分野における理学療法士の参入が重要と考える。以下, 我々の取り組みを紹介し, 急性呼吸障害に対する理学療法の役割を検討する。
- 1993-05-01