PNF法を用いた片麻痺患者の歩行訓練 (中枢神経疾患に対する理学療法の科学性を問う)
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概要
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歩行はヒトの機能の最高到達段階の一つで高度な自動性で支配されており, 連続した基本的運動能力の発達が必要である。正常な歩行には, 滑らかでリズミカルな前方移動, 交互の一脚上の体幹バランス, 下肢長の調節などの機能的な動きが自動的な継続的移行として現れる。そのためには, 骨盤と下肢の動きの正しい順序, 固有の運動のタイミングと筋収縮が必要である。一度歩行の自動性が失われると, 歩行の滑らかさと経済的エネルギー消費が大幅に障害される。これらの障害を完全に回復させることは不可能であるかもしれないが, 可能な限り正常に近く回復させることは, 我々PTの責務であろう。しかし, 実際の訓練において患者の機能を阻害し不能力性を高めるような歩行訓練が行われているのを多く見聞する。これは患者の機能障害の原因の分析が行われないで, 股関節の屈曲ができないから屈曲の訓練を行うなど, 現症状に対する訓練が行われているためであろうと思われる。障害を科学的データに基づいて客観的に分析し, 問題点を明らかにし, その問題点に応じた訓練手順を選択し, 正常に出来るだけ近づけるように努力することが大切である。今回, 抄録で示しているPNF法の歩行獲得訓練順序に従って, どのようにすれば正常歩行に近づけることができるのか, 私の経験に基づいて述べてみる。
- 1991-11-10
著者
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