新しい成年後見制度
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概要
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痴呆症になった場合に,財産管理や介護の契約は誰がしてくれるのか。この悩みを解決し,権利や財産を守ってくれるのが,「成年後見制度」であり,判断能力を充分に有している間に後見人を選任しておく「任意後見制度」は人生のシナリオを自分で描くことのできる制度といえる。従来の「禁治産・準禁治産制度」と異なり,「成年後見制度」は高齢社会への対応と障害者福祉の充実のために,自己決定権の尊重とノーマライゼーションを基盤として,より利用しやすい制度を目指して創設された。構造改革の中で,福祉制度も「措置から契約」という流れの中にあり,高齢者や知的障害者・精神障害者が質の高い生活を送るためには「契約」が非常に大きな役割を果たすことになる。契約に必要な判断能力が不十分な場合には,これを補うための制度の活用が不可欠であり,理学療法上も,制度に対する認識を深め,チーム医療の中で患者や家族に対して情報を提供していかなければならない。
- 社団法人日本理学療法士協会の論文
- 2003-02-20