セラミックインプラントに対する歯垢細菌の付着に関する研究 : 人工プラークの付着と脱離について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年, インプラントは多方面で利用されているが, なかでも人工歯根インプラントは顎骨内 (無菌領域) から口腔 (有菌領域) という特殊な位置に適用されるため, それ自体への細菌およびプラークの付着が問題となってくる。そこでインプラント材として多用されているアルミナセラミックスと細菌, プラークとの界面現象を解明する目的で, Storeptococcus mutans を用いアルミナセラミックスに対する菌体や, グルカンの付着あるいは人工プラークの付着と脱離について検討するとともに, 被検材料としての単結晶および多結晶アルミナセラミックス, テフロン樹脂, ガラスそしてステンレス金属片の"ぬれ性" (接触角) とグルカン, 人工プラークの脱離との関係についても考察を加えた。その結果, アルミナセラミックスの接触角は単結晶, 多結晶ともガラスのそれに近い低値を示した。付着については, 菌体, グルカン, 人工プラークとも材料間で有意の差は認められなかった。ただ材料の脱離抵抗性については, アルミナセラミックスは低い接触角 (高い"ぬれ性") にもかかわらずプラークの脱離性が高かった。以上のことより, アルミナセラミックスは, プラークは付着するが脱離しやすい材料であると示唆された。
- 1987-12-28
著者
関連論文
- 線維素性唾液管炎(クスマウル病)の2例
- 歯科治療におけるP.O.システムの利用 : 第29回秋季日本歯周病学会総会
- セラミックインプラントに対する歯垢細菌の付着に関する研究 : 人工プラークの付着と脱離について
- アルミナセラミックスを用いて下顎形態を 再建した8症例の長期経過
- セラミックインプラントに対する歯垢細菌の付着に関する基礎的,臨床的研究 : 第28回秋季日本歯周病学会総会
- 頬部より上顎洞にかけて発生した悪性リンパ腫の1症例
- 突発的に腫大した頬部から顎下部に及ぶ大きな血管腫の1症例
- 7歳男子の三叉神経第2枝,第3枝領域に発生した帯状疱疹の1治療例
- 腸骨架橋移殖で下顎再建を施した移植骨に11年を経て再発をみたエナメル上皮腫の症例