人工骨移植に関する臨床的研究 : 移植1年後のX線学的骨欠損充填率が予後成績におよぼす影響について

概要

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本研究は, TCP 系移植材であるSynthograft^<[◯!R]> を, 歯科治療へ応用し, その有用性について臨床的検討を行うことを目的とした。今回は, 移植後1年の骨欠損充〓率に注目し, 移植後の予後成績とどの様な間題があるかを検討した。対象は, 神奈川歯科大学附属病院に来院した15名の歯周炎患者の19骨欠損部位とした。イニシャルプレパレーション後, 歯肉剥離掻爬術を行ない, 骨欠損部にSynthograft^<[◯!R]> を移値した。術前, 術後3カ月, 6カ月, 1年に Pocket depth と Attachment level, Mobility の測定を行なった。また, 術前, 術後1週, 1カ月, 3カ月, 6カ月, 1年にX線撮影を行ない, 骨欠損充〓率を計測するとともに視覚的診査を行なった。その結果, 骨欠損充〓率の高い症例では, 術後, 臨床的付着獲得量が増加した。また, 骨欠損充〓率が高い症例の中でも, 移植部位と歯根面との境界にX線透過像が存在する症例が多く認められた。以上の結果より, Synthograft^<[◯!R]> 移植に於いては, 術後の移植材の流出を防止し, 移植後の維持安定を図る必要性が示唆された。
特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
1987-06-28