歯周疾患病巣における黒色色素産生Bacteroidesの検出率と分離菌種
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概要
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成人性歯周炎患者の歯周ポケット内細菌叢 (group II, group III), 特に黒色色素産生Bacteroides菌群 (BPB) の検出状況と疾病の進行状況との関連性を明らかにするために歯肉溝細菌叢 (group I) との比較検討を行った。可検試料は上顎前歯部滲出液より採取し, 生物学的・血清学的性状検査により菌種を同定した。その結果, 以下の結論を得た。1) Gram染色性および形態による菌群の構成比率において, group II, groupIIIは, groupIと比較して, Gram陰性桿菌の増加とGram陽性桿菌およびGram陽性球菌の減少が, それぞれ有意の差で認められた。2) BPBの検出率において, group II, group IIIは, group Iと比較して極めて高く, それらの間には, 有意の差が認められた。3) BPBの菌種別検出比率において, group II, group IIIは, group Iと比較してB. intermediusが極めて高く, それらの間には有意の差が認められた。B. gingivalis, B. melaninogenicus およびB. loescheii の検出比率は, いずれのgroupにおいても2%以下と低かった。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1987-03-28