感染根管が歯齦被弁手術後の創傷治癒に及ぼす影響に関する実験病理学的研究
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概要
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感染根管歯における歯周外科処置後の創傷治癒過程を検索する目的で, ラットを用い, 対照群は上顎臼歯の生活歯に実験群は感染根管歯に歯齦被弁手術を行い, 創傷治癒過程を検索した。その結果, 実験群の感染根管歯の術後l週では, 強い炎症性細胞浸潤が観察された。また, 2週以降付着上皮の根端側方向への侵入が顕著に認められ, 10週での病理組織学的計測の結果, 明らかに上皮の根端側方向への侵入量の増加に有意差が認められた。また, 電顕的観察において, 実験群の感染根管1歯では白亜質再生過程は生活歯に比較し著しく遅延し, さらに, 露出した象牙質表面にしばしば多核の巨細胞による根面吸収が観察された。これらの実験群における露出した象牙質表面付近の種々なる組織変化は感染根管内の為害物質が象牙紬管を通じて, 起炎物質として作用し, 象牙質表面付近に炎症が生じた結果であると考えられる。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1986-06-28
著者
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