妊娠ラット歯肉組織におけるグリコサミノグリカン代謝について
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概要
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いわゆる妊娠性歯肉炎発症の機序の一端を明らかにするため, Wistar系ラット歯肉を対象として, 妊娠による変化を組織学的に検索し, さらにグリコサミノグリカン代謝の変化をオートラジオグラフィおよぴ生化学的手法を用いて追求した。その結果, 妊娠時には接合上皮の肥厚, 接合上皮細胞間隙の増大と同部への多形核白血球の浸潤, 接合上皮下結合組織での毛細血管の拡張を認めた。オートラジオグラフィ所見では, 3^H-グルコサミンの取り込みは, 非妊娠, 妊娠に関らず結合組織に比べ接合上皮, 歯肉溝上皮, 口腔上皮で多く認められたが, 非妊娠時に比して上皮, 結合組織のいずれにおいても妊娠時に多く認められた。また, 妊娠時歯肉でのin vitroの3H-グルコサミンの取り込みの増加は, 主としてヒアルロン酸合成能の亢進によることが明確となり, 妊娠時歯肉では, ヒアルロン酸代謝を中心とする上皮のバリアー機能に変化を生じることが示唆された。
- 1986-06-28
著者
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