歯周疾患病原菌由来内毒素によるGin-1 fibroblastの代謝変動
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概要
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歯周疾患の発現に重要な役割をもつと考えられる歯周疾患病原菌 (periodontopathic bacteria) より内毒素を抽出, 精製し, それらの直接作用としてヒト正常歯肉線維芽細胞 (Gin-1) に対し, どの様な代謝変動を与えるかを紬胞のグルコース消費量及び糖質代謝系を中心とした酵素活性について比較検討した。便用したLPSは, (1) Bacteroides gingivalis (381), (2)B. intermedius (20-3), (3) B. melaninogenicus (ATCC15930), (4)Actinobacillus actinomycetemcomitans (Y-4), (5) Capnocytophaga species (M-12), (6) Eikenella corrodens (1073), (7) Fusobacterium nucleatum (ATCC25586) 及び市販LPSである(8) Escherichia coli 0127:B8, (9) Salmonella thyphimuriumの計9種類を用いた。Gin-1 fibroblastのグルコース消費量はその細胞数, 生存率が変化しないにもかかわらず, LPS添加により様々な抑制効果が認められた。IC_<50>で比較してみるとC. speciesおよび, F. nucleatumではその値が280μg/mlと最も強い抑制効果を示した。そこで, グルコース消費量に変化が認められなかった10μg/ml濃度の各LPS量をヒトGin-1細胞に添加した場合, malate dehydrogenase, glucose-6-phosphate dehydrogenase, pyruvate kinase, lactate dehydrogenaseにそれぞれ特有な代謝変動を与えることが明らかになった。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1986-06-28