Fusobacterium nucleatum細胞表層より分離した41K蛋白(ポーリン)画分の免疫生物学的作用
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概要
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Fusobacterium nucleatum ATCC10953株の超音波処理物を遠心して得た細胞エンベロープを, リチウムドデシル硫酸あるいはN一ラウロイルザルコシン酸ナトリウムで抽出処理し, 計4種類の41K蛋白画分を調製した。この蛋白画分は親水性透過孔形成能カ, すなわちポーリン活性を有し, 次にしめす免疫生物学的作用を示した。1. BALB/c nu/nuを含むマウス脾細胞に対して強力なB細胞マイトジェン活性およぴ多クローン性B細胞活性化作用を示した。2. 内毒素性リポ多糖 (LPS) と同様, モルモットの腹腔マクロファージを刺激してグルコサミンの取り込み, スーパーオキサイドアニオンの産生をたかめ, またチミジンの取り込みを抑制する作用を示し, 3. LPSの作用しない実験条件下でヒト未梢血単球の遊走能を亢進させ, 4. ヒツジ赤血球とともにマウスに腹腔内注射した際, 脾の抗体産生細胞数を増加させる免疫アジュバント作用を呈した。化学分析の結果, 供試したポーリン画分はペプチドグリカンを含まないが, LPSの存在が除外できないことが示された。しかし, 供試ポーリン画分の脾リンパ球に対する刺激作用は, LPS低応答性のC3H/HeJマウスの脾細胞に対しても発揮され, またLPSの作用を抑制するポリミキシンBの添加によっても抑制されず, したがってポーリン蛋白自体の作用であることが確認された。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1986-06-28
著者
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