昭和51年の地盤沈下について
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概要
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この報告は, 昭和51年1月1日から昭和51年12月31日までの1年間の東京都における広域的地盤沈下の調査結果をまとめたものである。調査方法は, 水準基標数641点, 延長899kmの一等水準測量と, 34地点に設置してある地盤沈下観測所基準鉄管68井による地層及び地下水位の変動測定である。調査結果によれば, 5cm以上沈下した面積は4.0km^2で1cm以上沈下した面積は286.2km^2である。低地の地盤沈下は江東区新砂三丁目で最大値3.10cmを記録したが昭和50年と比較すると全域的に沈下量は減少傾向にあり, 特に荒川河口付近で1〜2cm減少し, 5cm以上の沈下地域はなくなっている。台地及び多摩地区の地盤沈下は練馬区の田柄と関町を結ぶ線の西側と多摩地区のほぼ全域で認められ, 最大沈下量は清瀬市下清戸二丁目の5.64cmである。昭和50年と比較すると清瀬市付近で2〜3cm増加している。昭和50年に低地と台地の一部及び多摩地区の広い地域でみられた1cm以上の隆起は昭和51年には低地の一部に認められるだけである。地下水位は舎人第1観測所と調布全観測所を除く観測井で上昇している。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1979-06-15