あひるコクシジウムの新病原体 Eimeria saitamae
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概要
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1964年の9月に,埼玉県幸手町にあるあひる飼育場で,あひるのコクシジウム症に遭遇した.-1)分離オーシストは,無色,卵円形で,micropyleを有し,大きさは17~21(m18,62±1.44)×13~15(m13.21±0.47)μである.25゜C,3口で胞子の形成が認められた.また,再生口数は4日であった.2)人工感染を行ない, Hcidcnhainironhcma-toxy11n染色を施して発育環の観察を行なった.3時間後には,放出されたsporozoitcが,また12時間後には,宿主細胞に侵入した像がみられた.24時間後には,若幼のschizontが,36時間後には,ほぼ完成された楕円形で,中に弓状大型のmcrozoitcをいれているschizontが認められた.48時間後には,残体を中心に,小型のmcrozoitcが放射状に付着している,ことなるschizontが出現した.60時間後には.第2代のschizontが認められ,72時間後にはmacrogamctocytcが,96時間後にはmicro一gamctocytcが,それぞれ観察された.3)寄生部位は,十二指腸より盲腸におよんでいた.ことに小腸遊離部の中央部より下部にわたり,濃厚感染していた.また.大部分は粘膜上皮細胞に寄生していたが, 一部は粘膜固有層にも認められた.4)鵞鳥と鶏の雛とに人工感染を試みたが,感染力を有していなかった.5)分離オーシストを既知のオーシストと比較したが,いずれにも属さない新しい種類であった.そこでEimeriasaitamaeと命名した.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1967-08-25