16S rDNA 及び rpoB 遺伝子に基づく Histophilus somni の性状解析(細菌学)
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概要
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ウシ及びヒツジに髄膜脳脊髄炎, 肺炎, 生殖器疾患など様々な疾病を引き起こすHistophilus somniについて, 異なる宿主から分離されたH. somni菌株間の特徴を明らかにするため, ウシ分離株25株とヒツジ分離株6株の16S rDNAとrpoB遺伝子の塩基配列を決定した.31株の16S rDNAの塩基配列(1465 bp)には99.4%以上の相同性が認められ, ウシ及びヒツジ由来H. somni株の菌種内での多様性は高くないことが示唆された.決定したrpoB遺伝子(311 bp)の塩基配列は98.6%以上の相同性が認められ, その系統樹解析においてヒツジ分離株は亜群を形成することが示唆された.また, rpoB塩基配列中にはヒツジ分離株においてHincII制限酵素認識部位が認められたことから, ウシ分離株46株とヒツジ分離株20株のPCR増幅したrpoB DNAについてHincIIによる制限酵素切断反応を行った結果, ヒツジ分離株17株は切断されたが, ウシ分離株はいずれも切断されなかった.以上のことからrpoB遺伝子の制限酵素切断反応はH. somniのウシ分離株とヒツジ分離株の識別に有用であると考えられた.
- 2005-03-25
著者
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田川 裕一
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構動物衛生研究所
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星野 貴行
筑波大学大学院生命環境科学研究科
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田川 裕一
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構動物衛生研究所感染病研究部細菌病研究室
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田中 暁典
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構動物衛生研究所感染病研究部細菌病研究室:筑波大学大学院生命環境科学研究科
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星野尾 歌織
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
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星野尾 歌織
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構動物衛生研究所感染病研究部細菌病研究室
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