ヨークシャー・テリアにおけるエストロゲン血症を伴う精細胞腫(短報)(病理学)
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概要
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片側性の陰睾を示す8歳の雄ヨークシャー・テリアが食欲減退および多発性脱毛のため来院した.腹腔の音波撮影および放射線撮影では,左側精巣の異常腫脹が観察された.陰睾を示した精巣と他側の精巣を外科的に摘出した.頚静脈および両側の精巣静脈から採血して血中テストステロンとエストロゲン濃度を測定した結果,エストロゲンの高値が認められた.陰睾を示した精巣は,球状突出した腫瘤であった.割面では,腫瘤は白色均一であり,小葉像が明瞭であった.他側の精巣は,萎縮性であり,精巣上体は腫脹していた.組織学的には,陰睾を示した精巣は精細胞腫と診断された.セルトリ細胞腫と脱毛の発生に高い相関性があると報告されているが,本例におけるエストロゲン血症と脱毛は,この精細胞腫に関連するものと思われた.我々の経験から,本報告は,エストロゲン血症と脱毛を伴う精細胞腫の非常に稀な症例とみなされる.
- 2005-01-25
著者
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Kim Kyung-suk
Ny Animal Hospital
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KIM Okjin
Department of Laboratory Animal Sciences, College of Medicine, Seoul National University
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Kim Okjin
Department Of Laboratory Animal Sciences College Of Medicine Seoul National University:center For An