Phosphoramidothionate系化合物の除草活性について
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概要
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Phosphoramidothionateを多数合成し,検討したところ,除草剤としてO-ethyl-O-(2-nitro-p-tolyl)N-isopropyl phosphoramidothionate (amiprophos)が優れた滑性を有したので,本剤の作用性について検討し,若干の知見をえた。 (1)O-alkyl-O-Aryl phosphoramidothionateに高い除草活性を有する化合物が見出された。 (2)化学構造的に種々検討したところ,アミノ基はmono-alkylaminoが有効であった。アルキルは炭素数3以上で有効で,特にイソプロピルが優れていた。 (3)O-アルキルはあまり滑性に影響を与えないが,低級アルキルが有効であり,特にエチルの滑性が高い。 (4)フェニル基の置換はオルトー位にニトロ基が入ると有効であり,さらにパラー位に低級アルキル,低級アルコキシ,ハロゲンが置換されると活性が強化される。 (5)Amiprophosは,種子の発芽そのものは阻害せずに,発芽,発根の伸長をほぼ非選択的に抑制する。主として生長点の分裂細胞組織に作用し,その部分の膨大,崎形化をもたらす。 (6)薬剤処理層に植物の地上部および地下部の生長点部分が接触すると顕著な影響を与え,単子葉,双子葉雑草に幅広く作用する。したがって,本剤の選択性は,播種深度の違いや種子の形態的特徴に起因する位置選択性と見なされる。 終わりに,amiprophosの細胞学的実験について終始御懇篤な御教示を頂いた農林省北陸農業試験場の中山治彦博士に対し深甚な謝意を表する。
- 日本雑草学会の論文
- 1973-02-25
著者
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