台湾における牛白血病ウイルスの抗体調査
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概要
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台湾の乳牛・水牛および黄牛を対象に, ゲル内沈降反応を用い牛白血病ウイルスに対する抗体調査を実施した. その結果, 1985年の調査では, 15県と7都市から得られた乳牛の血清では8.4%(376/4,459), 1986年の調査では5.8%(1,277/22,190)がそれぞれ抗体陽性であった. 地域的には台湾の北部および南部に高い陽性率が認められた. 陽性率は加齢にともない上昇し, 5歳以上のウシでは40%以上の陽性率を示した. 放牧牛では1年中牛舎内で飼育しているウシに較べ陽性率は2〜3倍高く, 飼育形態により差が生ずることを示すものと思われる. 輸入牛では4.8%(302/6,313)の陽性率を示した. 役牛として使用している水牛134頭, 黄牛142頭はいずれも抗体陰性であった. 1985〜1987年にかけて台湾南部4県の高汚染牧場に於て抗体陽性牛351頭のうち5頭が臨床的にウシ白血病と診断された. 以上の成績から台湾におけるBLV感染は徐々に進行していることがうかがわれた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1991-06-15