熟齢動物(種鶏, 種豚, 乳牛)および成人から分離された大腸菌の薬剤耐性と接合性Rプラスミドの分布
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概要
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熟齢動物合計334例および成人117例について大腸菌を分離し, 6種の抗菌剤に対する耐性を調べ, さらに接合性Rプラスミドの検出をこころみた. 種鶏・種豚・乳牛および成人各個体から約30株ずつ総計13,455株の大腸菌を分離し, テトラサイクリン(TC), クロラムフェニコール(CM), ストレプトマイシン(SM), サルファ剤(SA), カナマイシン(KM)およびアミノベンジルペニシリン(APC)に対する耐性を調べた. 動物種別の耐性菌保有個体の割合および耐性菌分離頻度はそれぞれ種鶏100%, 95%; 種豚100%, 95%; 乳牛66%, 54%および成人65%, 39%であった. また, Rプラスミド保有個体の割合および検査株中のRプラスミド保有株の検出頻度はそれぞれ種鶏67%, 42%; 種豚72%, 35%; 乳牛34%, 20%および成人19%, 19%であった. 種鶏, 種豚では2〜4剤耐性型が高率であったが, 乳牛および成人では1剤耐性型がそれぞれのグループの中で最も多く分離された. 種鶏・種豚では, 耐性菌ならびに接合性Rプラスミド検出率がともに高率で, 飼育期間中における大量の薬剤使用を反映していた.
- 1983-04-05