イネ懸濁培養細胞の生育およびアセトラクテート合成酵素活性のベンスルフロンメチルによる阻害
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概要
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イネ(日本晴)懸濁培養細胞におけるベンスルフロンメチル(BSM)による生育の阻害と分岐アミノ酸添加による回復,及びアセトラクテート合成酸素(ALS)活性について調べた。細胞は,種子のカルスより誘導し,2,4-D2mg/lを含むN_6培地で懸濁培養し,2週間毎に植え継いだ。細胞の育成は,2週間でほぼ10倍(体積)となっが,BSMの添加により濃度に依存して抑制され,10^<-7>Mで約20%,10^<-6>Mで約70%の阻害であり,50%阻害濃度は約5×10^<-7>Mであった(Fig.1,2)。この育成阻害は欠乏していると考えられる分岐アミノ酸,バリン,ロイシン,イソロイシンの3アミノ酸各1mM添加によって軽減された,即ち10^<-6>,10^<-5>M BSMのときの生育度,それぞれ31,20%が,95,46%と約60〜30%上昇した。これらアミノ酸の単独あるいは2成分添加では回復がほとんどないか少なかった(Fig.3,Table 1)。増殖期(移植後8日)の細胞より0.1mMMgSO_4,0.5mMDTT,0.05mMFADを含むリン酸緩衝液(pH7.0)でALSを抽出し,ALS活性は,ピルビン酸ナトリウム,5mMMgCl_2,0.2mMチアミンピロリン酸を含むリン酸緩衝液で30℃,30分反応させ,定法により作成したアセトラクテートを硫酸で脱炭酸して生じたアセトインを発色法により測定したが,checkとして用いた脱炭酸しないものにもアセトインが相当量認められ,これを差引くのが妥当と考えられた。それによると,至適pHは幅広く,7.5付近で(Fig.4),飽和ピルビン酸濃度は80mMであった(Fig.5)。BSMによる本ALSの阻害は強く,50%阻害濃度は約5×10^<-9>Mであった(Fig.6)。BSMに対するイネ細胞の耐性はALSの本剤に対する耐性には依らないことが明らかとなった。
- 1992-04-28
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