局所麻酔下胸腔鏡の適応とその限界(<特集>局所麻酔下に行う胸腔鏡診療の臨床的意義)
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概要
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局所麻酔下胸腔鏡検査は,内科医にも施行でき,場所も手術室でなくても内視鏡室や処置室でも施行できるうえ,安全,簡便,低侵襲かつ経済的にも低コストな検査法である.胸水穿刺検査によって診断の確定できない胸膜炎,すなわち癌性胸膜炎,悪性中皮腫,結核性胸膜炎などの診断には,ゴールドスタンダードな検査法と言っても過言でない.局所麻酔のため観察範囲の制限や疼痛による処置の制限など限界があるが,直視下に病変を生検できることから胸水の原因診断に極めて有用な方法である.仮に胸腔鏡検査を施行しても特異的な肉眼所見がなく,さらに生検で特異的病理所見が得られない場合でも,結核や悪性腫瘍の除外という点から十分に意義がある.現時点では臓側胸膜あるいは肺実質へのアプローチは内科医が局所麻酔で施行する場合は避けたほうが無難と思われる.さらに,診断のみでなく,治療においても急性膿胸のドレナージなどは有用性が高く,確立した治療法であると考えられる.気胸に関しては,局所麻酔下での観察範囲が十分でないため特殊な症例を除いては行わない.肺生検も現状では困難である.手技については,日ごろ一般の内科医が施行している胸腔ドレナージ法とほとんど変わるところがなく簡便である.機器は,気管支鏡があれば可能であるが,先端フレキシブルなビデオ胸腔鏡は明るく視野が良好なうえ,生検などの処置が施行しやすい.局所麻酔下胸腔鏡は,適応と限界をよくわきまえて行えば安全で有用性の高い手技である.(気管支学.2004;26:322-325)
- 2004-05-25
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