イネ科雑草防除剤sethoxydimのウシノケグサ属異種間における選択性機構
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概要
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Sethoxydim{2-[1-(ethoxyimino)-butyl]-5-[2-(ethylthio)propyl]-3-hydroxy-2-cyclohexen-1-one}のオオウシノケグサ(Festuca rubra L.)とオニウシノケグサ(Festuca arundinacea. SHREB.)に対する除草活性を根部処理法とカルス培養法を用いて検討した。Sethoxydim根部処理2週間後において、本薬剤に対して耐性種であるオオウシノケグサは、1×10^<-4> M処理区でもその生育は殆ど影響されたかったが、本薬剤に感受性種であるオニウシノケグサは、1×10^<-5> M処理区で完全に枯死した(Fig.1)。更に、sethoxydimの植物体内動態についても根部処理法を用いて比較検討した。根部における吸収、及び根部から茎葉都への移行は、耐性種であるオオウシノケグサの方が感受性種であるオニウシノケグサより若干多かった。(Table 1)。また、根部より吸収された^<14>C-sethoxydimは、植物体内に一様に分布しているようであった(Fig.2)。両種の根部及び茎葉部全体における^<14>C-sethoxydimの代謝物、及び代謝パターンの相違は認められたかった(Table 2)。また、sethoxydimの両種由来のカルスの増殖に及ぼす影響を検討した結果、本系においても根部処理と同様な感受性差が認められた(Fig.3)。以上のことから、オオウシノケグサとオニウシノケグサ間のsethoxydim根部処理による感受性の差は、根部及び茎葉部全体の吸収、移行、並びに代謝の違いによるものでたく、両植物の有する性質の差異に基づくことが示唆された。
- 日本雑草学会の論文
- 1987-12-18
著者
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佐藤 淳司
日本曹違(株)小田原研
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保坂 秀夫
日本曹達 (株) 小田原研
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佐藤 淳司
日本曹達 (株) 小田原研
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稲葉 英雄
日本曹達 (株) 小田原研究所
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田上 徹
日本曹達 (株) 小田原研究所
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保坂 秀夫
Odawara Research Center, Nippon Soda Co., Ltd.
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保坂 秀夫
Odawara Research Center Nippon Soda Co. Ltd.
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