ハマスゲの塊茎形成に対する植物生長調節物質の影響
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概要
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昼温25℃、夜温20℃に制御した自然光下でのファイトトロンで,ハマスゲの塊茎形成に対する植物生長調節物質の影響を検討した。その結果、次のようなことカ湖らかにされた。カイネチン処理により、個体当り平均31.7%におよぶ塊茎数の増加が認められた。すなわち、カイネチンの10^<-6>M処理で29%、10^<-5>M処理で32%、10^lt;-4gtMで45%の増加がそれぞれ認められた。またカイネチン処理はハマスゲの地上部の生長には抑制的に作用することが示された。地上部と塊茎を合わせた全体の乾物重には,カイチネンの影響は認められなかった。カイネチンはハマスゲの地上・地下部のバランスに重要な役割を果たしているものと考えられる。TIBAの場合は10^<-4>Mで塊茎数の増加が認められた。B-9、 CCCは10^<-4>Mで塊茎数の増加の傾向がみられたが、カイネチン、TIBAのような顕著な影響は認められなかった。またさらにGAとカイネチンの各種の濃度(10^<-4>〜10^<-7>M)の組合せ処理区を設け,これらの併用効果を検討した結果、カイネチンの10^<-5>MとGAの10^<-6>M処理の場合を除き、無処理より塊茎数は少なかったが、GAを高めると塊茎数が僅かながら増加した。すなわち、ハマスゲの塊茎数に及ぼすカイネチンの効果はGAの存在で撹乱されることが示された。
- 1984-05-25