マレーシアにおける雑草イネ3系統と栽培イネ(MR84)の相対成長性と生育相
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概要
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雑草イネと栽培イネの生育相は大きく異なる。マラヤ大学先進科学研究機関において, 1993年から1994年の2年間にわたり, ポット実験を行い雑草イネ(Oryza sativa L.)3系統(V26, V27, V69)と栽培品種MR84の相対成長性と生育相を明らかにしようとした。MR84は雑草イネよりも草丈は低いが1個体当たりの分げつ数と葉数は雑草イネ2系統よりも多かった。MR84と雑草イネV69の個体あたりの分げつ数, 葉数はほぼ同じであった。葉と無効分げつの死亡率を, Mr84については移植後60日に, 雑草イネについては移植後30-50日に評価した。MR84および雑草イネの葉と分げつの生産は曲線的に変化した。個体あたりの有効乗数は時間に対して2次関数によって表せた。一方, 有効分げつ数はS字曲線, Y=e^t, ただし, t=a+bx+cx^2で表された。e^tの値は, 栽培イネおよび雑草イネ間で有意に異なっていた。乾物分配についてみると, MR84は, 雑草イネに比べ有意(P<0.01)に高い相対成長指数(K)をもち, 根に対してより多くの乾物分配をしていた。MR84と雑草イネV69はともに, 他の2つの雑草イネに比べ有意に高い再生産効率を示した。MR84の総分げつ数はV27と同様で, V26およびV69よりも低かった。MR84の子実収量は788kg/10aで, これはV26およびV27より高い傾向にあったが, V69よりも有意(p<0.01)に低かった。1穂あたりの登熟粒およびしいなの重量比は, MR84で83.4%, 雑草イネで82.4%から89.2%の範囲にあった。MR84の千粒重は雑草イネに比べ有意(p<0.01)に大きかったが, 収穫指数は雑草イネと同様であった。
- 1999-08-06
著者
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ナスルルハク アムル
マラヤ大学生物科学研究所
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アムル ナスルルハク
マラヤ大学生物科学研究所
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バカー バギ
マラヤ大学生物科学研究所
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バギ ビン
マラヤ大学生物科学研究所
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ダヨ マクリン
マラヤ大学生物科学研究所
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ジャファー アブドール
MARDI統計部