授乳中の母ラットに対するPCB暴露が成熟後の雄子ラットの精巣重量, 精子産生能, セルトリ細胞数に及ぼす影響
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概要
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母ラットに対するPCB投与が成熟後の雄子ラットの生殖器に及ぼす影響を調べた.グループ1では0.8mgと1.6mgのアロクロール1242(PCB類の混合物)を授乳中の母ラットに分娩から21日に離乳させるまで毎日, グループ2では同期間0.8mgと1.6mgを週2回の割合で皮下投与した.甲状腺ホルモン(T4)レベルは生後21日と90日目に測定, 雄子ラットの精巣重量, 精子産生能, セルトリ細胞数に及ぼす影響は90日後に測定した.グループ1のみに変化が見られ, T4レベルはどちらの用量処理でも21日の値が有意に低く, 精巣重量は低用量群で14.8%, 高容量群で16.5%増加した.一日当たりの精子産生能はそれぞれ20.4%, 25%, セルトリ細胞数は32.6%, 39.4%増加した.授乳中の母ラットに対するPCBの慢性的暴露は子孫の雄ラットにこれらのパラメータに有意な変化をもたらすことが明らかになった.これらの変化はPCBによる離乳期の一時的なT4の低下によるものである可能性が考えられた.
- 2001-01-25
著者
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Kim I
Department Of Anatomy College Of Veterinary Medicine Chonbuk National University
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キム イン
チョンブク大学