未性成熟な沼沢水牛(Bubalus bubalis)にFSHあるいはPMSGとGnRHを併用した時の過非卵効果
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概要
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未性成熟な沼沢水牛について, 多細胞の形状がより良好な方法を開発することを目的とした.試験には6頭を用い, 耳にNorgestomet(3mg progesterone+5mg estradiol)のペレットを7日間留置後, 性腺刺激ホルモンの投与方法により2群に分けた.すなわち, 第1群は25mg FSH+100μg GnRH(FSH+GnRH)の処置を行い, 第2群は処置1ヶ月後に2, 000IU RMS+100μg GnRH(RMSG+GnRH)を投与した.GnRHの投与24時間後から, 卵巣の反応性を直腸検査とB-モード超音波画像診断装置で観察した.結果は, 両群とも6頭中5頭(83.3%)で卵胞発育の効果を認め, 卵子を採取することができた.卵子は, 正中線部後方を切開し直接卵胞から吸引して採取した.第1群(FSH+GnRH)で17.6±12.1(L=9.8±8.7, R=7.8±6.2)個, 第2群(RMS±GnRH)で17.4±5.6(L=9.4±5.6, R=8.0±3.7)個の卵子を採取した.試験に併用した動物当たりでは, 採取できた卵子数は第1群で9.0±6.4個であり, 第2群では8.4±6.4個であった.さらに, 卵子回収率は第1群で56.3±9.2%ならびに第2群では51.9±10.3%であった.回収できた卵子の80%以上で, 2〜3層以上の緻密な卵丘細胞を有する未成熟な状態であった.今回の結果から, FSH+GnRHあるいはPMSG+GnRHの処置により未成熟の沼沢牛から卵子を採取することができた.回収された卵子の多くは未成熟であったことから, 体外成熟や体外受精にこの過排卵処置の方法は応用できると考える.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2000-03-25
著者
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テチャカムプ M.
チュラロンコン大学獣医学部家畜臨床繁殖学教室
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プテカニッ M.N
チュラロンコン大学獣医学部家畜臨床繁殖学教室
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スファソンク S
チュラロンコン大学獣医学部家畜臨床繁殖学教室
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プミイプァモン T
チュラロンコン大学獣医学部家畜臨床繁殖学教室
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ピタ A
チュラロンコン大学獣医学部家畜臨床繁殖学教室
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コイタセム G
チュラロンコン大学獣医学部家畜臨床繁殖学教室