寒冷感作時の副腎皮質刺激ホルモン投与が黒手種去勢牛の血液成分と多形橡白血球に及ぼ影響
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概要
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環境ストレスが黒毛和種去勢牛の生体反応に及ぼす影響について調べるため, 寒冷感作と副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の連続投与の同時負荷を行った. -5℃, 0℃(寒冷)及び15℃(常温)条件下での血漿コルチゾール濃度は, ACTH投与開始後1時間に投与前と比較し顕著に増加した. 末梢血における総白血球数, 単球数及び好中球数はACTH投与によって増加する傾向が認められ, この増加割合は寒冷感作時に著しかった. 一方, リンパ球数は-5℃感作群のみACTH投与終了後24時間目以降に減少した. 化学発光(CL)法により多形核白血球機能について調べたところ, CL能はACTH投与により低下したが寒冷負荷郡では回復が早かった. また, 寒冷負荷により血漿グルコース濃度の増加と無機リン濃度の減少傾向が認められたが, 免疫抑制物質として知られる血清ハプトグロビン及びα_1酸性糖蛋白濃度の推移にはほとんど変化がなかった. これらの結果から, 黒毛和種去勢牛へのACTH投与は寒冷負荷による生体反応を助長させ, また, 多形核白血球CL能も低下させることが明らかとなった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1999-05-25
著者
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假屋 喜弘
独立行政法人 農業技術研究機構 畜産草地研究所 放牧管理部
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石崎 宏
農林水産省草地試験場放牧利用部衛生管理研究室
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假屋 喜弘
農林水産省草地試験場放牧利用部衛生管理研究室
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Ishizaki Hiroshi
Animal Hygiene Laboratory Department Of Grazing Animal Production National Grassland Research Instit
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