ラット大動脈のグリコサミノグリカンの電顕組織化学における三重酵素消化法の効果
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概要
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細胞外マトリックスのグリコサミノグリカンの局在を電顕組織化学的に検出するために著者らが考案した三重酵素消化法の有用性を検討した.実験材料としてラットの大動脈を用い, 三重酵素消化法にはコンドロイチナーゼB, 睾丸ヒアルロニダーゼおよびヘパリチナーゼの三種類の酵素を使用し, 酸性複合糖質検出法であるジアミン染色法に併用した.本研究の結果からデルマタン硫酸はコラーゲン線維束で, コンドロイチン硫酸異性体(Aおよび/またはC)は主に細胞間質中の"soluble matrix"と呼ばれる部位でそれぞれ特異的に認められ, さらに平滑筋の基底膜と弾性板の外表面においてはヘパラン硫酸とコンドロイチン硫酸異性体(Aおよび/またはC)の両者が検出された.特に弾性板の外表面においてヘパラン硫酸は散在性に塊状を呈して存在しているのに対して, コンドロイチン硫酸異性体は外表面に沿って断続的に分布していることが明らかになった.以上の結果から三重酵素消化法は細胞外マトリックスに含まれるグリコサミノグリカンの局在を電顕組織化学的に検出するために有用な方法であると考えられる.
著者
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藤森 修
名古屋市立大学第二解剖学
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藤森 修
名古屋市立大学医学部解剖学第二講座
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藤森 修
名古屋市立大学医学部第二解剖学教室
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植田 弘美
名古屋市立大学医学部第二解剖学教室
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植田 弘美
名古屋市立大学医学部解剖学第二講座
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