ウシ凍結受精卵(胚)の片側子宮角移植による乳用種または乳用交雑種未経産牛における双子生産
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
福島種畜牧場の平地に在る牛舎(群-1),同山地に在る牛舎(群-2)および酪農家の牛舎(群-3)繁養のホルスタイン種またはホルスタイン交雑種未経産牛の129頭について,黒毛和種由来の凍結受精卵(胚)の2個または分離卵(胚)を片側子宮角へ非手術的に移植して双子作出を試みた.その結果97頭(75%)が受精後35〜60日に行った直腸検査によって妊娠と診断された.これまでに分娩した86頭中37頭(43%)が双子,49頭(57%)が単子であった.群-1の受胎率63%は群-2および群-3のそれぞれ88%と78%に比べて低かった.群-3での流産と死産率は8%と6%となり,群-1と群-2のそれぞれ12%と16%,18%と24%にくらべて有意に低かった(P<0.05)双子の生時体重は単子に比べて軽量であった(P<0.05)が,生後270〜330日後には両者の体重に有意差が認められなかった.双子分娩例での難産は認められなかったが,後産停滞は双子で高く17%,単子で3%であった.また双子の妊娠期間は単子に比べて5日間短かかった(P<0.05).分娩後次の妊娠までに要した期間は双子分娩例で95日,単子分娩例で87日となり,前者で長かった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1989-06-15
著者
-
石田 隆志
農林水産省福島種畜牧場
-
石田 隆志
山口大学 大学院
-
酒井 豊
農林水産省福島種畜牧場
-
鈴木 達行
農林水産省福島種畜牧場
-
松田 修一
農林水産省福島種畜牧場
-
三浦 秀夫
農林水産省福島種畜牧場
-
伊藤 一伸
農林水産省福島種畜牧場
-
鈴木 達行
福島種畜牧場
-
酒井 豊
農林水産省生産局 畜産部畜産振興課生産技術室
関連論文
- ウシ凍結受精卵(胚)の片側子宮角移植による乳用種または乳用交雑種未経産牛における双子生産
- グリセロ-ル(1.4M)加蔗糖液を用いたウシ胚の凍結と移植試験
- 牛の個体識別システムの現況とその有効性 (特集 個体識別システムは改良に活かせるか)
- 海外情報 ホルスタイン種の長命性や繁殖性などの形質をどのように改良していくべきか
- 研究情報 我が国の乳用種雄牛後代検定事業について
- ウシ受精卵の頚管経由移植に関する試験--移植器具に付けた紙の覆いが受胎率および子宮内細菌汚染防止に及ぼす効果について
- プラスチック外筒付注入器使用による牛受精卵移植時にみられた細菌汚染の防除効果
- Corynebacterium hofmanniiによる牛の性周期別子宮内接種試験について
- 牛の腟,子宮頚管内細菌叢の飼育形態,性周期にともなう変化
- 紙の覆いを付けた人工授精器具によるウシ受精卵の移植(短報)
- 48時間体外培養したウシ受精卵の非手術的移植例(短報)
- 発情後7〜8日目に採取した供卵牛血清加培養液によるウシ受精卵の体外培養
- ウシ凍結受精卵用の1段階ストロ-法の改良
- 蔗糖を用いた1段階ストロ-法によるウシ凍結融解卵の生存性と非手術的移植
- 牛の双子生産技術-3-技術開発の動向と課題
- 牛の双子生産技術-2-技術開発の動向と課題
- 牛の双子生産技術-1-技術開発の動向と課題
- ウシの胚移植に関する開発的研究(昭和62年度家畜繁殖学会佐藤賞受賞講演論文)
- 子宮頚管粘液除去器と卵回収容器の併用による効率的なウシ胚の回収法
- 牛受精卵の受胎率向上のための施策
- 開発したウシ受精卵の潅流器具とその有効性
- 牛受精卵移植技術の有効利用
- 改良したウシ凍結受精卵の1段階ストロ-法による野外での非手術的移植
- 片側子宮角への受精卵移植によるウシの双子生産について
- 牛の血中β-カロチン濃度と繁殖性--とくに供卵牛と受卵牛の卵巣反応と受胎性
- 牛受精卵凍結保存技術とその新しい展望--1段階ストロ-法
- 和牛に対するFSHによる過剰排卵処理試験
- ウシ受精卵の自動潅流器具について
- 急速凍結融解法による牛受精卵子の生存性と移殖試験
- フランス製人工授精器による牛受精卵の移植
- 牛の凍結保存卵による受胎成功例について
- ウシ受精卵の非手術的移植と過剰排卵処理牛の7〜8日目に採取した血清を含む培地内での培養試験