チンチラの大腸の微細血管構造
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概要
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チンチラの大腸の微細血管系について, 透過電顕による組織学的観察, および鋳型標本の走査電顕的観察を行った. さらに, モルモット, ラットの鋳型標本を用いて, 大腸の微細血管構造を比較した. チンチラの大腸粘膜上皮直下の血管は有窓性毛細血管であった. 窓の数および毛細血管の密度は, 盲腸および大結腸では常に小結腸より高い値を示した. さらに, チンチラの大腸の部位によって, その微細血管構造は3型(Type I, II, III)に分けられた. モルモットとラットの大腸において, 両者の毛細血管の密度は異なるが, 微細血管構造は類似していた. また, これら3種動物の大腸のいずれの部位においても, チンチラの毛細血管の密度が最高値を示した. 以上の結果から, チンチラの盲腸と大結腸は生理学上で重要な役割を演じていると考えられた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1988-12-15