実験的急性腎不全犬における血漿および組織内^3H-digitoxin濃度
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概要
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対照群 (C群), 両側尿水管結紮群 (L群), 両側腎摘出群 (N群) の実験犬に^3H-digitoxinを静脈内に1回投与し, その代謝・排泄に腎臓がどのように関与するかをdigitoxinの血漿動態および組織内濃度より検討した。血漿radioactivityはdichloromethane (CH_2 Cl_2) -溶性および-不溶性分画ともC群にくらべLおよびN群で有意に高値を持続した。CH_2 Cl_2溶性分画の血漿排泄半減期はC群では9.3時間であったが, L, N群ではその約2倍に延長し, digitoxinおよび強心作用を有する脂溶性代謝産物の血漿からの消失は著しく遅延した。Digitoxin投与24時間後の心臓と肝臓のradioactivityは各群においてほぼ同じ濃度を示し, 3群間の比較ではC, L, N群の順に両組織のradioactivityが高くなり, 有意差が認められた。一方, 腎臓のradioactivityは心臓・肝臓よりも高値を示したが, 両組織と異なり, C群ではL群より高い傾向が認められた。各組織のradioactivityと血漿CH_2 Cl_2-溶性分画のradioactivityとの間には有意の正相関が存在した。これらの所見から, 犬におけるdigitoxinの体内動態において, 腎臓が明らかに関与することが示唆された。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1987-10-15
著者
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