肉牛における結核症とヨーネ病の混合感染の病理学的研究
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概要
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わが国で初めて認められた牛の結核症とヨーネ病の混合感染症例4例について病理組織学的検索を行った。結核病変は肝臓, 腎臓, 肺, 腸間膜リンパ節など, 症例によって2ないし9臓器に認められた。結核症の単独感染病変との差は認められなかった。ヨーネ病病変は腸管と腸間膜リンパ節等に認められたが, 肉芽腫の拡がりは軽度ないし中等度で, 病変内の小型抗酸菌の数は一般に小ないし中等量であった。2例の腸間膜リンパ節には結核およびヨーネ病の2種の肉芽腫が混在していた。免疫学的, 病理学的背景に大きな差を有する結核菌とヨーネ菌が同一組織内に各々の病変を形成した所見は, 両肉芽腫性炎の病理発生を考える上できわめで興味深い。本例の病変と単独感染例の病変との間に著しい差異は認められなかった。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1984-10-15
著者
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