実験動物の臨床病理検査値における正常範囲
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概要
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日本製薬工業協会加盟の67社より提供されたラット約7,000匹/性, イヌ約5,000匹/性, サル約700匹/性の臨床病理検査の背景データを解析し, 最も普及している測定方法で得られたデータの加重平均と標準偏差を求め, 正常値を変動させる要因と採材条件あるいは測定方法等との係わりを考察した. 赤血球数(RBC), ヘマトクリット(Ht), ヘモグロビン(Hb), 網状赤血球数(Rt), 血小板数, 白血球数(WBC), 白血球百分率(%WBC), 凝固時間(APTT, PT), GOT, GPT, ALP, LDH, グルコース, コレステロール, トリグリセライド(TG), 総蛋白質, アルブミン, 尿素窒素(UN), クレアチニン, ナトリウム(Na), カリウム(K), カルシウム(Ca), クロライド(Cl), 無機リン(Ip), CPKについて検討した. 種差はRBC, Ht, Rt, 血小板数, WBC, %WBC, ALP, LDH, グルコース, コレステロール, TG, 総蛋白質, UN, クレアチニン, Ca, Ip, CPKでみられた. ラットの系統差は血小板数, WBC, GOT, ALP, UN,クレアチニン, CPKでみられた. 性差はHb, Ht, WBC, ALP,グルコース, コレステロール, TG, 総蛋白質, A/G比, UN, Ipでみられた. 年齢差はRBC, Hb, Ht, Rt, %WBC, GOT, GPT, ALP, LDH, コレステロール, TG, 総蛋白質, Ip, TG, Ip, CPKでみられた. 絶食・給餌の影響はAPTT, PT, ALP, グルコース, TG, UNでみられた. ラットの採血部位ではHt, WBC, CPK, Kの値に差がみられた. 血漿と血清試料の差はLDH, CPKでみられ, 血清の測定値は血漿値に比べばらつきが大きかった.
- 1993-06-15
著者
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野村 護
日本製薬工業協会基礎研究部会第二分科会:第一製薬(株)安全性研究センター
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松澤 利明
日本製薬工業協会基礎研究部会第二分科会
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海野 隆
日本製薬工業協会基礎研究部会第二分科会
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海野 隆
日本製薬工業協会基礎研究部会第二分科会:鐘紡(株)薬品安全性研究所
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松澤 利明
日本製薬工業協会基礎研究部会第二分科会:山之内製薬(株)安全性研究所