犬の心臓・肺動脈にみられるDirofilaria immitis自然感染虫体の体長頻度分布の解析
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概要
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滋賀県において, 1983年7月に, 犬の右心室, 肺動脈より得た犬糸状虫Dirofilaria immitisの体長頻度分布は正規型を示すのに対し, 1983年10月, 1984年1月, 5月に得た虫体では, 発育期にある短体長虫体の混合寄生のため, 正規分布に一致しなかった. 多峰性頻度分布解析の結果, 各時期に得られた虫体は, それぞれ異なった平均体長, 標準偏差, 構成比率をもつ1-3の体長群に分けられ, 分布型の連続的変化が見られた. 短体長群の体長と対応する感染後月齢との関係から, 1983年の感染期は4, 5月から10, 11月の期間であったと推測された. 1月に得られた短体長雌虫群の構成から, 1983年の年間感染率は, 新規感染が48%, 既感染大の再感染が93%, 雌虫の年間感染数の幾何平均は8.5と推定され, 1983年に新規に感染を受けた犬における雌虫数は, 負の二項分布に一致したのに対し, 既感染大における1983年の再感染雌虫数は, ポアソン分布を示すと考えられた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1992-02-15