144番目のアスパラギンへの糖鎖付加の欠失は, N8亜型インフルエンザAウイルス・ノイラミニダーゼの基質選択性を変化させる
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概要
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アスパラギン結合型 (N-結合型) 糖鎖のインフルエンザAウイルスN8亜型ノイラミニダーゼ (NA) の成熟と機能における役割を人工変異導入とワクシニアウイルス発現系を用いて検討した. 84番目もしくは398番目のアスパラギンにおけるN-結合型糖鎖付加部位への変異の導入は, 変異NAの正常な成熟を阻害することが示された. 一方, これまでにアミノ酸配列の解析されたすべてのインフルエンザウイルスNAにおいて, 2株を除いて完全に保存されている144番目のアスパラギンにおける糖鎖付加部位の変異は, 変異NAの成熟と細胞膜への輸送を阻害しなかった. 一方, この変異は本酵素の基質選択性の変化を引き起こした. これらの成績は, N8NAにおける糖鎖結合部位である144番目のアスパラギンは, 構造的な必要性よりも, 機能的な要求から保存されている可能性を示している.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1997-10-25
著者
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西藤 岳彦
神戸大学農学部応用免疫学教室
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西藤 岳彦
神戸大学農学部応用動物学科:(現)国立感染症研究所
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河野 健児
神戸大学農学部応用動物学科
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Saito Takehiko
Department Of Animal Science Faculty Of Agriculture Kobe University
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