風化したバンコック粘土の降伏

概要

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風化したバンコック粘土を等方および異方圧密した場合の力学的特性を調べている。試料をまず, 先行荷重以下の応力で等方圧密し, 応力比(η=q/p'=(σ_1'-σ_3')/1/3(σ_1'+2σ_2')) が所定の値になるまでせん断した後, 応力比を一定に保ちつつ異方圧密試験を行った。その結果得られた降伏曲面は体積ひずみに関するものとせん断ひずみに関するものとで若干異なるが, 工学的に無視してよい差であるとしている。次に同じく先行荷重以下の圧力で等方圧密した試料の非排水せん断を行い平均有効応力がせん断中ほとんど変化しないことおよび等せん断ひずみ線が(p', q)面内でp'軸にほぼ平行となることを見いだした。更に正規圧密領域の非排水せん断では, 有効応力経路が圧密圧力にかかわらず概略同一形状となり, 等価圧密圧力で正規化すると一本の曲線で表されることを示した。以上によりバンコック粘土の力学的挙動は, ケンブリッジ学派のいう状態境界面の概念で統一的に説明できることを結論するとともに, 修正カム粘土モデルによる変形の予測値が実測値とよい対応を示すことを明らかにしている。
1981-06-15