Biotの圧密方程式に関する一考察
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概要
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弾性的な構造骨格をもつ飽和土では, 圧密が完了した状態を基準にして圧密中の状態をみたとき, 間隙水圧と体積ひずみの分布に線形関係があることを見いだし, これを用いてBiotの圧密方程式から変位を消去し, 間隙水圧だけで表現した圧密の支配方程式を誘導した。それはいわゆる発展方程式であって, ある時刻における過剰間隙水圧の分布が与えられれば, 代数的操作をほどこすのみで間隙水圧自身の時間変化率が定まる。その意味では熱伝導型方程式と同等なものであり, 有限な境界が存在しない無限領域の圧密を扱う場合や, 変位境界のない有限な領域でも力学的に等価でかつ透水係数の極めて大きい外部領域と結合して圧密を行えば, Terzaghiの方程式が成立する。この基礎方程式の適用例として, 一次元圧密, 球の圧密, 中空球の圧密, 円筒の圧密, 中空円筒の圧密など多くの場合の解を示し, 同じ領域でも境界条件の与え方によって正負のMandel-Cryer効果を生じることや, 基礎方程式を数値解析するさい空間的に離散化すれば常微分方程式となって解析解が求まることなどを示した。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1979-12-15
著者
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田村 武
Department of Civil Engineering, Kyoto University
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田村 武
Department Of Civil Engineering Kyoto University
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