埋立て護岸の型式選択における信頼性設計の適用
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概要
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埋立て護岸の設計にあたっては, 建設中の条件, 使用時の目的などに最適な構造を選択すべく多くの型式の比較検討を行った上で実施案が決定されるのが通例である。比較検討の対象となった数案の中から最適案を選択する従来の過程は, 一般に設計基準を満足させた上で過去の経験に頼っていたと言っても過言ではない。しかし, 本来数多くの不確実性を有している埋立て護岸各代替案の選択にあたっては, それら不確実性を考慮した上で, 安全性・経済性など総合的評価を数量的に行うべきであろうと思われる。このような認識の下に, 本報告は, 代替案選択過程を意志決定問題として定式化し, 適当な評価基準を設定して, 最適案の選択過程を数量的にさし示した。その結果, 今回の設計条件下で, 実際の埋立て護岸代替案を信頼性設計で順位づけしてみると, 第1位, 矢板斜控杭式, 以下, ケーソン式, 鋼板ヤル式, ブロック積式となった。なおこの順位は, 従来の設計手法で検討を行った場合の結果と概ね一致するものであった。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1978-12-15