層厚変化から歪力変化を求める方法について
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概要
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層厚変化量が地殻のひずみ量を表わしているとすれば, これから地殻変動によって生ずるひずみ変化量が求められる。上総層群の中の一つの凝灰岩の地層の層厚変化から, 長軸60 km, 短軸30 kmの長円形堆積盆が想定され, この長軸方向の断面では中心が約6.5 km沈降し周辺部はほとんど変化がない皿状になる。これに対応するモデルとしてこの堆積盆の大きさの長円形平板を想定した。地表で周辺を固定したこの平板の地殻下底部に等分布荷重が作用するものとし, ヤング係数を1.25×10^<12>CGS, ポアソン比を0.25と仮定して計算すると応力変化は1.12×10^<10>ダイン/cm^2となる。応力変化を推定することは地質現象を力学的に解析する手法の一例であるが, 層厚変化と応力変化との関係を明らかにするためには, 詳細な地質調査を行って, 最も適合した応力-ひずみ関係を示すモデルを想定することが必要である。このモデルによって地殻に作用する応力変化量の推定が可能になる。このことにより, 地震の発生, 岩石の破壊などの地殻深部における現象について地殻の力学的見地から地質学的に考察を加える糸口が与えられるであろう。
- 1978-12-15
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