二重矢板壁式護岸の挙動について
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概要
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二重矢板壁式護岸の施工に際して, 矢板間への中詰め時および裏込め時における矢板の応力, 変位, タイロッドの張力などの測定を行ない, タワミ曲線法, 連続バリ解法, 沢口の方法, FEMなどによる計算値と実測値を比較検討した。中詰め時における矢板は外側へ変形し, 変位はかなり深くまで及ぶ。また矢板応力は矢板の変形に伴って顕著な増加を示し, 応力の最大値は海底面付近で発生した。計算値は実測値と比較していずれも過小となったが, 変位分布の形状は連続バリ解法の分布が実測分布に近似した。矢板の曲げモーメント分布に関しては, タワミ曲線法, 連続バリ解法とも実測値に近似した分布を示した。裏込め時における矢板の変形はいずれも海側へ倒れる形になっており, 曲げモーメント分布もそれに対応した形状で得られているが, 裏込めによるモーメントの増加量は沢口の方法による計算値の1/3〜1/2であった。矢板継手部のかみ合せ効果を断面二次モーメントで表わすと, 実測値はカタログに表示されている値の約70%であった。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1978-03-15