有限要素法による防護工効果の解析例について
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概要
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土木工事が隣接する構築物などに悪影響を及ぼすことが予想される場合には何らかの防護工が施工されるが, この防護工の効果の予測は経済性の面からも重要な問題である。本報では有限要素法を利用して防護工の効果の判定を行なった2例について紹介した。ひとつはRC造の建物に近接してトンネルを掘削する際に建物とトンネルとの間に地中防護壁を設けた例で, 建物の挙動について解析して防護壁の効果を判定した。結果として防護壁のない場合の建物の傾斜が1/400であるのに対して, 防護壁のある場合には1/1,400となり, 防護壁が非常に効果的であると判定された。いまひとつの例は, 既存の鉄道盛土に近接して宅造用の高盛土を施工するに際して, 地盤のスベリ破壊防止のために計画された地盤改良の効果に関するものである。平常時および地震時について解析を行なった結果, 盛土工事による鉄道盛土への悪影響は地盤改良の有無に関係なくほとんど認められないが, 地盤改良によって盛土の側方変位が大幅に減少することから, 安全施工という面で防護工は意味のあるものと判断された。
- 1978-03-15
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