振動を受ける飽和砂の挙動
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概要
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小型の砂層に砂を入れ飽和させたものを鉛直または水平に加振して液状化や間ゲキ圧に及ぼす壁面の効果などを実験的に調べたものである。用いた砂は新潟砂と2種の川砂で比較的均等なものである。実験の結果, (1)どの実験でも加振の初期には砂層の圧縮による間ゲキ圧の増加がみられ, 次いで上部の砂層の膨張が起こり, 圧縮, 膨張層の間に水のみが存在するような, いわゆるグランド・ブレークが現われる, (2)この発生状況と砂中にセットしたおもりの沈下状況から液状化範囲は壁面の影響を受けている。したがって新潟地方におけるように古い砂丘層の間に, ゆるい砂がタイ積している地質状態のものでは, 3次元的に液状化問題を調べる必要がある, (3)実測有効圧は間ゲキ圧変化や砂の沈下とよく対応し, 砂層の支持力は間ゲキ圧増大とともに低下する, (4)砂中のおもりの沈下速度から液状化層の動粘性係数は200〜350ポアーズと推定される, ことが判明した。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1977-09-15