軟弱地盤と建築, 地震時の問題 : 概論, 地盤の震害, 軟弱地盤の挙動

概要

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建物の震害と地盤の硬軟との間には密接な関係があり, 地震に対する軟弱地盤とは建物と地盤の相互作用を考慮して定義する必要がある。地盤震害の種別としては, 1)地盤の沈降, 隆起, 2)地スベリ, 山崩れ, 山津波, 3)地割れ, 4)液化現象, 5)断層などが考えられるが, このうち特に軟弱地盤で問題となるのは4)である。わが国には大昔からの地震記録がかなり保存されており, この中に地盤震害に関する事項も多く含まれる。このうち特に液化現象に関する記録をとり出し一覧表ならびに分布図を作成した。液化現象発生地点は主に砂質地盤であるが, 軟弱シルト層が厚く, その上にゆるい砂層が載っている地域もある。これらの調査結果とボーリング資料をもとに液状化の可能性の判定図表を提唱した。地震時に飽和砂地盤が液状化する条件としては, (1)地震が相当に大きい(震度階でV〜VI以上), (2)相対密度75%程度以下のゆるい砂である, (3)0.074mm<D_<50><2.0mmでU_c<10である, があげられる。D_<50> : 50%通過径, U_c : 均等係数(D_<60>/D_<10>)。
1975-09-15