乳房炎罹患山羊の乳汁中におけるラクトフェリン濃度の上昇(臨床病理学)
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概要
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搾乳山羊の正常乳と乳房炎乳のラクトフェリン濃度(LFC)を測定した.山羊を飼育している70個の農家から集積したミルクと10頭の乳房炎罹患山羊のミルクLFCをELISA法で測定するとともに,メチレンブルー還元試験(MBRT)で反応時間を調べた.集積したミルクはMBRTの反応時間から高,中,低の3段階の品質に分類した.高品質に分類したミルクのLFC(167μg/ml)は正常(218μg/ml)または低品質(304μg/ml)のミルクの濃度よりも有意に低く,これに対して乳房炎ミルクのLFCは587μg/mlであった.LFCとMBRTの相関係数は-0.7であった.片側の乳房にStaphylococcus aureusを注入した3頭の山羊のミルク中LFC平均値(1,500μg/ml)はコントロール(30μg/ml)よりも有意に高値であった.これらの所見は山羊のミルク中LFCは乳房内感染の指標として有用であることを示唆している.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2004-04-25
著者
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Chen P‐w
国立中興大学
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Chen W‐c
国立中興大学
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CHEN Po-Wen
国立中興大学
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CHEN Wen-Cheu
国立中興大学
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MAO Chinhung
国立中興大学
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Mao Frank
国立中興大学