二酸化炭素の注入により誘発された気腹時の兎における補助的の気管ガス注入を施した際の機械的換気(実験動物学)

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概要

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• 腹腔鏡による手術には多くの利点があるが,二酸化炭素の注入により気腹状態が誘発されるため,肺のコンプライアンスの低下を伴った高炭酸症の患者では重篤な高炭酸症や呼吸性アシドーシスを招来する可能性がある.気管ガス注入法(TGI)は機械的に調節されている低換気状態の補助法として有用なことが示されている.そこで,機械的の調節換気(CMV)と気管ガス注入法の併用が,二酸化炭素注入により誘発される気腹時の兎の換気効率に及ぼす影響について検討した.麻酔下の兎16匹を2群に分け実験に供した(CMV群:機械的な調節換気のみ, TGI群:機械的な調節換気に加えて2リットル/分の流量による気管ガス注入).供試動物には腹腔内圧が8mmHgになるように二酸化炭素ガスを注入した.1回換気量を設定した最大吸入圧値に維持させ,他の換気条件は一定に保った.腹腔に二酸化炭素ガスの注入を開始してから30,60および90分後における最大吸入圧値は,それぞれ15,22および25mmH_2Oで,その際の動脈血二酸化炭素分圧はCMV群に比べてTGI群の方が有意(p< 0.01)な低値であった(CMV:82±14,58.1±9.9,47.1±9.4,TGT:47.5±5.5,40.0±4.6,32.7±5.1mmHg).また,最大吸入圧値が15mmH_2Oの際の吸息時の1回換気量はCMV群(18.4±3.9mmHg)に比べてTGI群(12.8±2.8mmHg)では有意(p<0.05)に減少した.機械的な調節換気に加えて気管ガス注入法を併用する二酸化炭素注入により誘発される気腹時の兎の換気効率を上げることが明らかとなった.

• 社団法人日本獣医学会の論文
• 2003-08-25

著者

• Lee Byeong-han

  峨山生命科学研究所

• Kim Jong-sung

  三星生命科学研究所生物研究所

• Jang In-sung

  三星生命科学研究所生物研究所

• JEON Hyun-Jung

  三星生命科学研究所生物研究所

• KIM Hwi-Yool

  建国大学獣医学部

• HAN Jin-Soo

  三星生命科学研究所生物研究所

• LEE Youn-Leol

  翰林大学医学部

• LEE Min-Jae

  三星生命科学研究所生物研究所

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