米国繁殖豚群農場における再発種付け雌豚(臨床繁殖学)
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概要
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再発種付け雌豚(以下再発豚)について同産歴内での再種付け回数による繁殖成績,再発種付け間隔,再発若雌豚の生涯繁殖成績,各産次における再発状況について調査分析した.米国539農場からの繁殖生産データを使用し,農場単位での再発種付け回数による再発雌豚の分娩率,再発種付け率と分娩時生存子豚数を調べた.再発が増えると産歴に関わらず分娩率は約10%,再発種付け率は約5%減少した.分娩時生存子豚数は0から2産の再発豚で増加したが,3産以降の再発豚では増加しなかった.再発しなかった若雌と再発若雌の生涯成績比較するために,5年以上の記録を持つ149農場の雌豚39,945頭の記録を分析した.平均再発種付け間隔は46.3日,若雌の初回種付けからの平均淘汰日数は95.2日,離乳後の初回種付けからの平均淘汰日数は48.2日であった.再発無しの若雌と比較して,再発若雌は生涯非生産日数が50日以上長く,平均淘汰産歴は0.5以上少なく,生涯分娩生存産子数も2頭以上少なかった(p<0.05)が,平均分娩時生存子豚数では差がなかった.非生産日数とは,雌豚が妊娠も授乳もしていない期間の合計のことである.19,677頭の再発豚のうち,35.6%の雌豚は2回以上,10.6%の雌豚は3回以上,1.95%の雌豚は4回以上の産次において再発した.正確な発情発見と再発豚への交配技術の改善が群生産性向上に大切であることが示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2003-12-25
著者
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