同時噴霧乾燥法により作製した微小カプセル (microsphere) ワクチンの経口投与による豚マイコプラズマ肺炎の防御効果(細菌学)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
豚マイコプラズマ(Mycoplasma hyopneumoniae)肺炎の微小カプセル(microsphere)ワクチンを豚に経口投与し,感染防御効果を検討した.微小カプセル内にM. pneumoniae抗原を封入するため,腸溶性コート剤Eudragit L30 D-55を用いて,同時噴霧乾燥法により微小カプセル(microsphere)ワクチンを作製した.In vitroの実験においてpH7.4の条件下では3時間以内に微小カプセルから93%以上の蛋白の放出が認められたが,pH1.2では全く放出されなかった.SPF豚の実験感染モデルを用い,経口投与による微小カプセルワクチンの効果を抗体応答と攻撃試験で評価した.2回目の経口投与後に血清中IgG抗体の上昇が全ての試験豚においてELISA法で確認された.M. hyopneumoniae攻撃試験において,免疫群は無処置対照群に比較して有意に低い肺炎病巣評価点を示した(P<0.05).以上の成績から,同時噴霧乾燥法により作製した微小カプセルワクチンの経口投与により豚マイコプラズマ肺炎の感染防御の可能性が示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2003-01-25