鋼構造骨組の歪硬化を考慮した弾塑性解析法の研究 : その 2 3 次元骨組の弾塑性解析

概要

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本報では, 前報で提案した各一般化応力方向の硬化特性の違いを考慮した一般化硬化ヒンジ法を3次元骨組に適用した。その際, 複合応力下での断面の終局状態を規定する降伏曲面の近似式を提案した。また, 軸力, 曲げモーメント, 捩りモーメント, そりモーメントが作用する3次元部材の幾何学的非線型を考慮した接線弾性剛性を空間に固定された座標系に基づく直接Lagrangeの方法により求めた。数値解析例として, 偏心水平力を受ける剛な屋根面を持つ1層1スパン立体骨組並びに任意方向に水平力を受ける1層1スパン筋違付立体骨組を取上げた。これらの数値解析結果より, 本解析法によって精度良く鋼構造立体骨組の3次元弾塑性挙動を簡便に把握出来ることが確認された。また, 歪硬化を無視した解析では機構形成後の挙動を評価出来ず大きな差異を生じることを指摘した。立体骨組の実験資料が乏しいため, 解析例は限定された。今後細長比の小さい筋違材を有する立体骨組, 架構偏心を持つ立体骨組などについて実験を行う予定である。
社団法人日本建築学会の論文
1984-12-30