建築材料の吸放湿特性の動的測定法 : その 2 シミュレーションによる測定精度の検討

概要

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材料の湿気伝導率を非定常吸湿または放湿過程から求める方法について, シミュレーションにより, 測定精度を検討した。前報に基づいた測定方法は, 湿度のステップ応答から測定原理に基づいて粗い測定値を得る部分とその測定値を補正する部分(補正法A)とから成る。5つの材料についてのシミュレーションの結果, 測定原理に基づいた粗い測定値は最大で約30[%]真値より小さな値を示すこと, 補正により最大で約20[%]真値より小さな値となることがわかった。そこで, 測定精度を向上させるための補正方法(B)と, 真値の上限を示すための補正方法(C)を示し, シミュレーションによりその補正効果を調べ次の結果を得た。(1)補正法Bによると誤差は最大で14[%], 平均的には10[%]以下となる。(2)補正値Aと補正値Cと真値との関係は本論文で対象とした材料についての結論であるが, 補正値A<真値<補正値Cとなる。(3)補正値Aと真値との誤差は最大で約20[%]である。以上より「簡便に補正したい場合には20[%]程度の誤差を許して補正法Aにより補正し, 真値の上限は補正法Cにより求め, さらに精度を上げたい場合, 補正法Bにより補正する」方法を提案する。
社団法人日本建築学会の論文
1984-07-30