コンクリートの蒸気養生に関する研究 : その 3 養生条件と強度性状について
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概要
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PC部材の蒸気養生において, 蒸気養生コンクリートの初期強度を増大させ長期強度を確保するとともに, 他の諸性質を良好に保つための基本的養生条件を求める目的で行ったものである。本報告は前回までの65℃・開放養生100℃・閉鎖養生および, これにつづいて行った60℃閉鎖養生による試験から, 養生条件と強度性状の関係を整理したものであるが, 強度性状について次のような傾向が認められた。(1)コンクリート面を露出して蒸気養生を行ったもの(開放式)は, 強度上不利な点が多い。(2)初期材令(24時間以内)では, 一般に養生温度の高いもののほうが高強度を示す。(3)養生温度の高いときは, コンクリート面の閉鎖および加圧(または抑圧)条件を厳しくする必要がある。(4)閉鎖・加圧条件および蒸気養生後の養生条件が適当であれば, 材令28日またはそれ以後の強度が標準温度(約20℃)で養生されたものより低くなるとは限らない。(5)閉鎖・加圧条件が適当であれば, 前置時間を3時間以内に短縮し, 温度上昇勾配を60℃/時程度に増大しても, 強度に大きな影響を与えることはないようである。(6)蒸気養生期間中の水分蒸発やコンクリートの膨脹の強度に対する影響を無視することはできない。以上の諸点には, 従来われわれの考えていた蒸気養生コンクリートの性状についての一般概念と異ったものが含まれているので, これらについて検討する予定である。
- 1966-07-30
著者
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