円筒の渦励振に関する研究 : その 2 渦励振現象のモデル化
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概要
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以上, 静止円筒の揚力係数C_<L0>さえ決まれば, 円筒の質量比nと減衰定数ηを与えて渦励振現象を予測できる数学的モデルを提案した。このモデルの利点は, 従来の数学的モデルの様に, 実験に合わせる為に, その都度パラメータを変える必要がないことである。つまり, 円筒の構造特性を与えるだけで答が出てくるので, どんな二次元円柱に対しても適用できるという, 汎用性を持っている。更に, 物理的イメージがはっきりしているので, 発生機構の解明にも役立つものと思われる。ここで提案したモデルの検討結果をまとめると以下の様になった。1.本モデルは, 渦励振の特徴的現象である, synchronizationの発生, 共振流速の限界流速(V_<cr>)とのずれ, 揚力の最大値発生流速と共振流速のずれ, 揚力と円筒変位の位相差の共振流速付近での急変, soft-dampingにおける二価応答の可能性等を良く表現できる。2.それらの性状の円筒減衰の増減による変化をも良く追従できる。3.以上のことを含めて, 定量的にも実験値と良く一致する。4.円筒の最大変位を予測する為なら, (19)式の略算解で十分である。今後は, 三次元及び, 自然風中の煙突の実挙動への応用について研究することが課題であろう。この種の研究の参考となれば幸いである。
- 社団法人日本建築学会の論文
- 1979-06-30
著者
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