三菱神戸スルザーRSD 76型ディーゼル機関について
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概要
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The new type of large two stroke marine Diesel engine, RSD 76 type, was manufactured by Kobe Shipyard & Engine Works, Mitsubishi Heavy Ind., Reorganized.The paper presents the features in construction and performance of this type of engine, and satisfactory service results of ship.当社は従来よりスイス国スルザー社との技術提携に基づいてSD 72型外各型式の大型2サイクル機関多数を製作して来たが, 最近の海運事情が更に大馬力の機関を要求するようになつたので, 昭和27年12月よりスルザー社新設計のRSD 76型機関の製作を開始した。スルザー社においては従来のSD 72型と全然趣を異にしたこの系統の機関として先ず10 RSG 58を完成した。本機関はシリンダ直径580粍, 行程760粍であるが, ここに述べるRSD 76型と同一構想に基づいて計設されたものである。本機は約235時間連続運転され, あらゆる角度より本機の新設計に対する検討がなされその優秀性が確認されたので, スルザー社始め各ライセンシーで製作が開始され現在に至る迄多数の船に搭載された。中にはオランダ船"Willem Ruys"のく如8 RSG 58を8台(一軸4台)も搭載した船がある。かくの如くRS 58型によりこの型式が非常に優秀で且信頼性に富むことが立証されたのでスルザーは更に大型のRSD 76型機関の設計を進め遂に完成した。当所は直ちにこの技術を導入し, 一番機10 RSD 76は昭和29年3月30日陸上公試運転を無事完了し, 大阪商船の移民船ぶらじる丸主機械として搭載された。ぶらじる丸は7月30日神戸港を出帆し, 南米への処女航海につき, 非常に好調子で航海を終へ11月14日神戸港へ帰港した。猶本型式としては第二番機の10 RSD 76が10月28日第三番機の9 RSD 76が昭和30年2月15日夫々陸上公試運転を完了している。ぶらじる丸の要目を示せば次の通りである。[table]一方, RSD 76型機関の世界の製作状況を見ると, [table]製作中のものは[table]以下本型式について設明する。
- 社団法人日本船舶海洋工学会の論文